「最近の若いもんは…」というフレーズは古代ローマ時代から使われているそうだ。言葉も時代と共に変わっていくという話。
その意味では、たとえば、「なにげに」という言葉は、僕は定着するんじゃないかという気がしています。単なる予感ですが。これはもちろん、「なにげなく」の誤用ですが、妙に遣い心地のいい言葉ですね。既に違和感を感じないという人も多いんじゃないでしょうか。
(中略)
あとは、「普通においしい」という言い方もそうですね。これも意味が分からないという人がいますが、どうしてでしょう? たとえば、ブルーチーズを食べたとき、人は、「クセがあるけどおいしい」という言い方をします。そんなふうに条件や留保をつける必要のある食べ物とは違って、ストレートに、一般の誰もが「おいしい」と同意するであろうような味の食べ物(あるいはその水準に達している食べ物)を食したときに、現代人は「普通においしい」と言うわけです。
「ていうか」という表現も定着しつつあるのではないだろうか。「ていうか」の元々の意味は「○○よりむしろ」だと思うが、最近では相手が話した後に自分が話し始めるきっかけとして使ったり、さらには相手が言ったことをかぶせてオチを奪うようなときによく使う気がする。便利な言葉である。
「お会計のほうをお願いします」の「ほう」とか「私的には問題ないです」の「的」のように、つい言ってしまうが何なのか良く分からないものもある。「全然オッケー」のように広辞苑にも載っていて夏目漱石の小説でも使用されているが、肯定で使うのは変だという気持ちが分からないでもない表現もある。
結局残ったもんが正しいと。
- 作者: 小林作都子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
- クリック: 67回
- この商品を含むブログ (11件) を見る