心が洗われるとはまさにこの本を読み終わったときの気持ち。いや第一部の途中からずっとそんな感じだった。
- 作者: 佐藤多佳子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/26
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 188回
- この商品を含むブログ (373件) を見る
スポーツに打ち込むまっすぐな気持ちの素敵さと、自分の全てをスポーツに打ち込められる学生時代の素晴らしさ。久しぶりにそんな気分を思い出させてくれる気持ちいい一冊。それと同時に私としては主人公の神谷新二のような生き方って参考になるような気がした。キャプテンだからって難しいことを考えずまずは自分が必死になって練習するスタイル。そうすれば周りがついてくる。子供の頃から何度も見てきたそして自分も経験してきたクラブのキャプテン。そう、無理に綺麗にやろうせずいつものそれでいいんだと思った。
人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは、言葉のない世界なんだ―たぶん。
あいつからバトンを受け取ったら抜かれるわけにはいかない。次のあいつに渡すまでは抜かれるわけにはいかない。そんな気分って学生時代で終わりではないはずだ。