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Schi Heil と叫ぶために

hiroakiuno's blog

CES 2008 Report - Sands Expo 会場のキラリと光る展示

ネットと家電の可能性


CES 2008 のレポートの続き。CES の会場は大きく以下に分かれる。

  • LVCC Central
  • LVCC North
  • LVCC South
  • Venetian
  • Hilton
  • Sands Expo

展示はおよそ会社のメジャー度で分類されている感じで、LVCC Central には Microsoft, Intel, Sony, Panasonic, Samsung といった大企業のブースが並び、Sands Expo にはベンチャー系が一同に集まっている。Hilton は時間の関係でパス。LVCC North はカー用品系だからパス。丸2日ラスベガスにいたくせにパスが多いと思うかも知れないが、別にカジノで遊んでいたわけではない。両日ともに朝は 9:00 から夜は 18:00 のクローズぎりぎりまで見学した。それでも LVCC Central と South と Sands を周れば時間が足りなかった規模なんです。正確な面積は知りませんが日本の CEATEC(幕張メッセ) の3倍以上でしょう。

ということでまずは最初に訪れた Sands Expo 会場から。こちらの展示は珠玉混在という言葉がぴったりで意味不明なものや、とりあえず出しました的な展示がたくさん。その中からキラリと光る展示を見つけるのはかなり大変でしたが、ここでは個人的に光を放っていたと思われる2つの珠を報告したい。

1つ目は PowerCast 社の無線電力供給。Wireless HD という映像の無線化も今回の CES の注目の一つだったが、こちらは電源を無線にしてしまうという要素技術。写真だと少し分かりづらいが、点灯していない照明が数枚のプラスティックの板を挟んだ状態で机の上に置くと照明が点くというデモ。



電力は机が発しているのだがプラスチック板を介しており直接触れていない。板は3枚ほど重ねて数センチあり、何年か前に数ミリの距離を飛ばせるという論文を見たことがあって、まあそんなもんだろうと思っていたらかなり技術は進んでいて驚いた。




こちらは iPod に5ミリ程度のアダプタを付けるとそれが無線充電器になり、机の上にぽいっとおくだけで常に充電されるというデモ。分かりやすい。受信側の IC は小指より小さく実用化も近そう。

PowerCast 社の技術には2種類の方式があるようで、一つはミリ波を利用しているもので距離は約1mと長いが電力が弱い。もう一つはマグネチック何とかという技術で、電力はやや強いが距離が数センチと短いもの。ところで無線だと電気が垂れ流しっぱなしで浪費にならないのかと聞いてみたところ前者の距離が長い方のデモは現在は垂れ流し状態で今後の課題だが、後者の距離が短い技術の方は既に利用時だけ供給するようになっているとのこと。今後が楽しみな技術だが、いざ実用化されると隣の家から電気が盗まれたりしないのかも気になる。こちらも質問してみたところ、無線電力は距離の2乗に反比例するからそこまでパワーが届かないとのこと。たとえ届かなくても認証や課金の仕組みは必要な気がしますが、そこが研究のポイントではないのでこのへんで。

確か何年か前にWebで見つけて読んだ気がすると思ってブクマを調べたらありました。1年以上前のスラドの記事。

どうやら無線電力供給は MIT と PowerCast 社の二つが有名なようで、こちらに詳しい記事がありました。

さて、もう一つの光る珠は Slingbox。こちらは商品。アメリカ版のロケーションフリーと言えばぴんとくる人はくるかもしれない。海外から日本の家のテレビがインターネットを介してリアルタイムで見れるというのが簡単な説明で、現地に住むエンジニアに聞いてみたら、アメリカの店では最近ロケフリよりもこちらが置いてあるとのこと。なるほどなかなかすごい。



せっかくだからと露骨にロケフリとの違いを聞いてみたところ以下の二つを挙げた。

  • ライセンス
  • Clip+Sling

前者はロケフリだとチューナー一つに付きクライアント(PC)が1台が限定されるので同時には使えない制約があるが、Slingbox では複数のクライアントソフトから1台の Box を共有できるので、家族などよりみんなで使える利点がある。後者の Clip+Sling というのは Box 側で約1時間のコンテンツをバッファリングしており、視聴した後で面白いと感じた部分を Web に簡単にアップできる友達と共有できるという機能。こちらは将来放送局が完全にサーバー型放送を始めてしまうと死んでしまう機能ではあるが(その場合はタイムスタンプだけを交換すればよいから)、その時代が来るにはもう少し時間がかかるので現実的な技術ではある。

ひとつ気になったのはなぜ YouTube を使わず独自のサーバーを用意したのかという点。その場合 YouTube 同様に著作権的な問題はないのかという点も含めて質問してみた。回答としては2つの質問は同じ話で、YouTube にしてしまうと当然著作権の問題があるが、YouTube をコントロールすることはできない。独自サービスであればコントロールが可能で、しかも単に違法なものを削除するだけでなく、放送局へのリンクや広告を張ることで問題をうまく解決しているとのこと。このあたり動画の著作権問題が騒がれだしてからもう5年くらい経つので、各社落とし所をうまく見つけてきたなという印象である。

ちなみに帰ってきたら実は日本でもアイ・オー・データが輸入販売していることを知りました。

それにしても CES のニュースは実際に行くよりも詳しいことがネットに書いてある。ありがたいような残念なような。