遅ればせながら話題作を読んでみた。
文庫版の解説にも書かれているが、キャラクターが素晴らしいというのがもっぱらの評判で、それを受けてかブログの感想にもキャラ設定がすごいというものが目立つ。確かにキャラクターは個性的だが、私の一番の感想は、バチスタ手術の「心臓を止めて再鼓動」という表現や、病院内の権力争いの様子など現役の医者ならではのリアルな描写に対するもの。医療関係はテレビのドラマでも人気になることが多いが、医療のプロが文章もうまいとなるといくら取材を重ねても単なる文章のプロでは太刀打ちできないだろうなと思った。
ミステリーなのでネタバレは避けたいと思うが、ひとつストーリーの本線とはそれほど関係ない部分だけど、心に留まった次のフレーズを紹介。
実力があるヤツはイナなヤツと相場は決まっているが、イヤなヤツに実力があるとは限らない。
このフレーズ自体は兵藤という主人公田口の後輩に対するもので、兵藤は後者の「イヤなヤツに実力があるとは限らない」に相当するキャラなのだが、この作品の下巻からは「実力のあるイヤなヤツ」が登場する。それがもう一人の主人公なのだが、そちらは作品を実際に読んでいただくことにしよう。
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
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