キャズムを超えろ! の和蓮和尚さんが主宰するキャズム会議に参加してきた。キャズム会議は第2回に続いて2度目の参加。今回のテーマは Yahoo! JAPAN for AQUOS。去年の CEATEC の井上さんの基調講演で聞いたことがあり、今年の5月からサービスをスタートしているそうだが、ちょうど当日この会議の前にサービスリニューアルの記者発表があったようで、こちら や こちら に詳しく載っている。その内容を踏まえて記者発表と同じ人が語ってくれた。以下、当日のメモと感想。
Yahoo の取り組みご紹介 (坂東さん)
ネットにアクセスして Yahoo コンテンツを見る4つの方法
- パソコン・テレパソで直接
- Media Center Edition (ヤフー動画)
- テレビで直接
- ゲーム機、セットトップボックス経由
- Wii インターネットチャンネル
- PS3 ビジョンサービス(?)
- パソコン、ホームサーバー経由
- DLNA (Yahoo! Digital Home Engine)
最終的にどれが正解かわからないので Yahoo では全てに取り組んでいるとのこと。
デジホ = デジタルホームの略。Yahooではこう呼んでいるらしい。DHと略すときも。
どうして Yahoo が家電に?
Yahoo を使ってもらう時間を延ばしたい。PC を使う時間ってそんなに長くないので他の機器にも拡大する。カーナビをやるのも同じ。家で PC も使うけど本当は家では寝転んでリモコンだけでできたらいいと思う。
いままでネットとテレビの融合でうまくいった例がないと思うがどう思うか?
理由はいくつか挙げられるが、一つは環境が整ってなかったこと。ただしずいぶん変わってきた。インフラ、ネットにつながるテレビの台数がそろってきた。ネットの入り口がテレビのメインメニューに現れてきた。アクトビラなんかはリモコンにボタンもある。テレビを考えるならば、やはり動画がキラーアプリになるとは思うので、動画なしにテレビ向けのネットコンテンツを考えても仕方ないだろう。
AQUOS x Yahoo で何ができるのか? Yahoo! JAPAN for AQUO (Yahoo 菅泉さん、Sharp 松本さん)
今年の 5/29 から 12サービス
ながら視聴
トップメニューに入って放っておくと、勝手にニュース、天気、地図、検索ランキング、HDスライドショーがどんどん変わっていく。コンテンツは Full HD で全画面表示。音楽も流れている。画面は適当に変わっていくので地図のところでたまたま岡山が映っていて、興味を持てばリモコンを手にとってとそこから深堀りできる。
Yahoo ID でのログイン機能
- ユーザーごとに合わせたコンテンツ。
- 毎回の Yahoo ID + Password の入力は不要。「Yahoo ID + Password」の代わりに「利用コード」を使う。これはケータイを用いてあらかじめ登録しておく。
- 利用コードは 4-8桁の数字で、数字であればリモコンでも簡単。
- Q. 4桁だと他の人とかぶるのでは?
- A. 利用コードはグローバルなものではなく、一台の AQUOS でユニークであれば良い。
利用コードの登録方法 (初回登録)
こちら にも解説されてあるが、仕組みを理解するには少し情報が足りていない。当日も盛り上がった部分の一つで、実はまだ完全には理解できていないのだがメモしておく。若干私の想像も含まれているのでご注意を。
- 最初コンテンツを見ようとするとテレビ画面に QR コードが出る。
- QR コードを携帯で撮影して Web にアクセスすると、YahooID + Password と利用コードを入力する画面が出てくるので登録する。利用コードの数字は自分で決める。
- 一度登録が済めば利用コードを入力するだけでログイン。
その他
- 文字は携帯で入力して IrSS でテレビに送るという方法もある。
- ブラウザではなくSHARP独自の EX システムを使っている。ゆえに Full HD がさくさく動く。規格は公開していない。
パネルセッション
- 2000 年ごろの Apple の構想に PC を中心に家電がつながるデジタルハブ構想があった。その中心が PC ではなくケータイになってきている(のではないだろうか?)
- リモコンにボタンを増やすのではなく、iPhone で画面にメニューを出してやるのがよいのでは?
- ケータイ の上で動くリモートコントロールアプリはかなり出てきている。
- テレビで地図を見ていて、行きたい場所があったらその情報をサーバーにおいて、それを携帯で取りに行って、カーナビにそれを転送とか。携帯を経由するという考え方。
増井さん登場
個人的感想
ひとつは、これを Yahoo x SHARP 以外に広げようとした場合どうなるか。Yahoo 立場で考えると、EX システムというのがシャープ独自なので、他社の製品だとまた別の仕組みに対応する必要がある。テレビメーカーって高々有限個なので可能といえば可能だが、テレビ以外も視野に入れたら現実的ではないだろう。かといって家電はパソコンと異なりデバイスやシステム構成が工夫の一つでもあるので EX システムを標準規格にして…というのもつらい。逆に SHARP の立場で考えると、Yahoo 以外のコンテンツにも対応したいとなったときに、このがっちり組んだタッグがどう影響するのか?たとえばサービスの入り口には Yahoo の文字が光っているが、ユーザーから見れば Yahoo動画 だろうが YouTube だろうが分けて考えたくない。でもメーカーの立場では異なる会社のコンテンツをマージというのもやりづらい。特にコンテンツに直接アクセスされてしまい Yahoo という入口がなくなると Yahoo としてもおいしくない。
このあたりどう考えるのかその後の宴会で質問してみたいなと思ったのだが、次の日が早かったので残念ながらキャンセル。家電の中心は本当にケータイなのかというお題でも楽しめそうだったなと思ってみたり。いずれにしてもミッドタウンの Yahoo のオフィスも垣間見れて楽しいひと時でした。また参加させてもらいたいです。