- 作者: 森重湧太
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: Kindle版
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プレゼン資料のデザインに関する人気の本。
働き方改革が求められる中で、プレゼン資料の作りこみの時間短縮は課題である。以前、働き方改革について考えたとき、いろんな作業を多少妥協するのも必要ではないかと考えた時もあったが、今はそれは間違いだと思っている。特にプレゼンの準備は徹底的に納得するまでやるべきだと思う。
労働時間に対する考え方を自分の中で変えていく必要がある。なぜならそういう時代になったから。納得いくまで時間をかけるってのは古いのかもしれない。手を抜くとか妥協すると考えるのではなく、時間をかけないことに納得するって感じかな。1個のボールではなく3個も4個も両立するために。
— Hiroaki UNO (@hiroakiuno) February 3, 2017
ではどうやって時間短縮するか。相手に伝わる資料作成は本質的に時間がかかる作業である。特に極限まで無駄を省く作業や、ポイントを明確にした文言や図の作成には内容や聞き手に合わせた試行錯誤が避けられない。一方、資料作りの際は、図形の色を変えながらどれが見やすいか探してみたり、表を縦にするか横にするかどちらが伝わりやすいか迷ったりする試行錯誤にも時間を費やす。後者の試行錯誤については自分でゼロから考えるのではなく、基本的なデザインのパターンを学び、それを元に自分の中に納得したルールを決めておき、しっくりくるアウトプットに素早くたどり着くことが資料作成の時間短縮に対するひとつの解だと思う。
本書はあくまでプレゼン資料の見やすさにフォーカスした本。デザイン的な見やすさに関して迷わずさっと進められる引き出しを増やしておき、残った時間を話し方を練習したり、レビューしたリ、メッセージを研ぎ澄ます作業に費やすべきだと思う。
以下は、本書の中で心に留まった部分。
構成
- 縦配置は順序関係、横配置は並列・比較関係。 (026)
- 矢印は複数使わず1つで見せる。矢印の先端は手順間のちょうど半分のサイズに。(053)
- 棒グラフの縦軸は不要。データラベルですっきり見せる。(062)
フォント
- 和文はメイリオ、欧文は Segoe UI を使う。 (013)
- キーワードを極端に大きくするときは、和文は HGS創英角ゴシックUB、欧文は Arial Black を使う。 (074)
強調
- 強調は基本太字。 (034)
- 長い文章を強調するときは下線。 (034)
- 数字は大きく、単位は小さく。数字か単位のどちらかを2段階分文字サイズを変更する。(064)
吹き出し
- PowerPoint の吹き出し図形は思ったように調整できないので自作する。 (054)
- 注釈は四角形 + 三角形。 (054)
- ユーザーの声は角丸四角形 + 三角形。 (055)
- 折れ線グラフで何か所かをピックアップして説明するときは円の吹き出し。 (063)
表
- オブジェクトの枠線は太くしない。枠線をづけずに塗りつぶすか細い線にする。(038)
- 背景は白をベース、表の内側の線はグレーにする。(064)
- 文字は中央揃え、長いテキストは左揃え、数値は右揃え。 (064)
その他テクニック
- Ctrl + Shift で図形をドラッグすると水平または垂直にコピーすることができる。