電源周りの勉強。今回の目標は PMIC と DC-DC と LDO の違いについて自分の言葉で説明できるようになること。まったく経験がない分野なので本書を読んでみた。
図解入門現場で役立つ電源回路の基本と仕組み (How‐nual Visual Text Book)
- 作者: 清水暁生,深井澄夫,石川洋平
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: 単行本
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ところで、最近の AC アダプタは、下記のように昔の AC アダプタと比べて小型になっている。これは本書で説明されている AD-DC 変換がトランス方式(リニアレギュレーター)なのか、スイッチング方式(スイッチングレギュレーター)なのかの違いらしい。すなわちこれも LDO と DC-DC の違いの一つである。
トランス方式とスイッチング方式の比較 | 電源設計の技術情報サイトのTechWeb
基礎的かつ実践的なタイプの本なので、電気回路や電子回路の深いところは省略されている。その分それらが得意ではない私でもなんとか読み通せた。また本書では PMIC については語られていない。ただ本書を読んだあとであれば、検索して当初の目的が書かれている以下の Web の記事が読めるようになった。
当初の目的につながる「違い」の部分を引用しておく。
Q. DCDCコンバータ(スイッチングレギュレータ)とLDOレギュレータ (リニアレギュレータ ) の違いを教えてください
よくあるご質問-FAQ-: DCDCコンバータ (スイッチングレギュレータ) | セールス・サポート | リコー電子デバイス株式会社
スイッチングレギュレータの基礎長所と短所、リニアレギュレータとの比較
長所と短所、リニアレギュレータとの比較 | 電源設計の技術情報サイトのTechWeb
まず、ディスクリート・ソリューションと比べ、パワーICソリューションは、20%以上コスト効率が高い。次に、4つのディスクリート部品が占める基板スペースに比べると、基板スペースを10%節約できる。三つ目として、パワーICはディスクリート・ソリューションよりも外付け部品が少なくて済むため、全体のサイズとコストはさらに下がる。そして、このBOM(Bill of Material)点数が減るので信頼性の向上につながる。
テキサス・インスツルメンツ(TI)、FPGAやSoC設計を容易にするパワーIC | IoTニュース:IoT NEWS
自分の言葉でまとめるという目標に戻ると、LDO と DC-DC コンバータ―の違いは、リニアレギュレータとスイッチングレギュレーターの違いに帰着する。厳密には LDO も DC/DC変換 だが、リニア方式をリニアレギュレーター、スイッチング方式を DC-DC コンバータ―と 呼ぶようだ。ざっくりリニア方式の LDO はシンプルなため安いし構成も簡単、スイッチング方式の DC-DC は効率がよいし昇圧もできるという違いがある。PMIC は 確定した定義はありませんとある ものの、複数の DC-DC や LDO を組み合わせさらに保護機能なども内蔵したものといえるようだ。
PMIC と DC-DC の違いは PMIC だと全部パッケージ化されているので、全く同じことやるのであれば PMIC のほうがお得だが、余分なものもついてくるので無駄が出ると DC-DC に比べてコストが上がってしまうことだと思う。