アドラーがライフスタイルと呼んでいるものは、アンガーマネジメントではコアビリーフ、認知行動療法ではスキーマと呼んでいるものだろう。ここ最近、意識してストレスや認知などの本をたくさん読んでみた。深読みやべき思考に偏っていたスキーマを変えていきたいと思った。人の目を気にしすぎるライフスタイルを変えていきたいと思った。
その際、どういうキーワードをイメージしておけばよいか難しかった。諦めるとか妥協するではなく、受け入れる、分ける、バランスをとるみたいな言葉を考えていたが、本書では「肯定的なあきらめ」という言葉が使われていた。課題を分離し、変えられないものや他者の課題は切り捨て、変えられるもの与えられたものをどう使うかに注目するのが自己受容とのこと。
人の目を気にするクセがある私には以下が以下が響いた。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他社の人生を生きることになります。
「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。
子供との距離の取り方には以下が響いた。
「他者はあなたの期待を満たすために生きているのではない」と。たとえわが子であっても、親の期待を満たすために生きているのではないのです。
良好な対人関係を結ぶには、ある程度の距離が必要だ。密着してしまうと、向かい合って話すこともできない。しかし距離が遠すぎてもいけない。
介入にならない「援助」をする必要があります。
援助とは、大前提に課題の分離があり、横の関係があります。勉強は子どもの課題である、と理解した上で、できることを考える。具体的には、勉強しなさいと上から命令するのではなく、本人に「自分は勉強ができるのだ」と自信を持ち、自らの力で課題に立ち向かっていけるように働きかけるのです。
本書曰く、アドラー心理学を理解して生き方まで変わるようになるには「それまで生きてきた年数の半分」が必要になるらしい。ちょいと時間がかかるが、あのとき気づいてよかったと思えるようになりたい。