勉強より大事なことのために勉強する
子供の質問。なぜ勉強しないといけないのか?
将来のため、自分を知るため、たくさんの名言 があるが、子供にはなかなかピンと来ないのではないか。無知の知というのは勉強している人がたどり着く境地だろう。
自分事にしてもらうにはこの表現が良いと思う。あなたのやりたいことを実現するためだよと。
「勉強より大事なことがたくさんあるんだよ」とか言い出す人、我々が勉強のために勉強してるとでも思ってるのか。勉強より大事なことのために勉強してるに決まってるでしょう。
— ぱろすけ (@parosky0) 2013年12月22日
他人の人生を生きない (ジョブズとアドラー)
Stay hungry. Stay foolish. で有名なスティーブジョブズのスピーチ。ジョブズが言う「他人の人生を生きるな」の意味は、自分の大好きなことをやれのメッセージ。
もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do
today?
あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ―which is living with the results of other people's thinking.
嫌われる勇気 で有名なアドラー。アドラーの「他人の人生を生きるな」の意味は、他者の課題を切り捨てよのメッセージ。
われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」のです。
他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」のです。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。
「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。
それぞれ切り口は違うが、どちらも「いま、ここ」の自分に向けたシンプルなメッセージ。複雑な世の中。私はこれら2つを心に留める。
自己紹介は相手が知りたいことを話す。プレゼンと同じ。
プレゼンで重要なのは、自分が話したいことではなく相手が知りたいことを話すこと。実際にやるの難しいのだが少なくとも心がけている。
先日、これは自己紹介でも同じだという話を聞いた。神木優 さんという方の講演会。目から鱗だった。
- ほとんどの人は自己紹介に目的をもって話してない。
- 目的とターゲット(誰に話すのか)が重要。
- 未来のこと(お願い事、何がしたいとか)を語る。
- 相手のことを考え、相手のベネフィットを語る。この人使える!と思わせる。
名刺読み上げるのはどうでもよいとのこと。プレゼンの極意と全く同じだった。
『プレゼン』とは『プレゼント』。これが基本的な考え方なんです。誰だってプレゼントを選ぶとき、相手がどうしたら喜んでくれるかを考えるはず。同じようにプレゼンを組み立てれば、相手が求める行動やゴールに繋がりやすくなり、成功の確率はかなり上がります。
ありがちなのが、自社の製品やサービスのスペックなどを延々と話してしまうこと。僕はこれを『プレゼンテーションの罠』と呼んでいます。
相手の心を掴むプレゼンの極意|澤円|CASIO
一番大事なのは未来の話をする事
澤円さんに聞く ビジネスで人を動かすプレゼン 極意は「贈り物」|NHK就活応援ニュースゼミ
普通のやつらの下を行け
「普通のやつらの上を行け」は Paul Graham の ハッカーと画家 の第12章のタイトル。Lisp の素晴らしさを説いている章で、スタートアップが競争相手に勝つにはスピードが重要で、そのために技術的優位性のある Lisp を選んだという内容。
「普通のやつらの下を行け」はそれをもじったもので、普通のやつらの下を行け: assert_caller() - bkブログ に書かれていた言葉。ここで言う下とは、低レベルプログラミング技術を指している。
私は、この、普通のやつらの上を行くために、自分の専門領域の一つ下のレイヤに強くなるという考え方は重要だと思っている。ライブラリを使いこなす Python エンジニアだからこそライブラリの中身やアルゴリズムの理解が重要だし、性能を引き出すためには OS やハードウェアの知識が重要だ。今後 LLM の使いこなしで人に差をつけるには機械学習の専門知識は鍵となるだろう。電気・電子工学を身についている人が話すハードウェア設計の説明は分かりやすいし、数学に強いマーケティング職の価値も同じだ。
言い換えると、一つ上のレイヤは活躍の場とも言える。長い目で将来活躍したい領域があれば、先にその一つ下のレイヤで修行するというのは一つの戦略的なキャリアプランだと思う。
「それしかない」ではなく「それでできる」に
人に何かを理解してもらうにはストーリーが必要 だが、それしかないんですと言う消去法型の説明には注意が必要だ。たとえ思考の過程が緻密な消去法だったとしても、それをそのまま、いかに他の案がだめかを熱く語ったところで、残った案が OK とはならない。これは提案している立場では気づきづらいが、承認者の立場に立つとよくわかる。
それ以外がもっとだめなのはよく分かった。で、その案でうまくいくんだっけ?
以下は、トヨタ方式の鈴村喜久男さんの言葉だそうだ。
「それしかない」と「それでもやれる」は根本的に違うことだ。
部品の7割を外部に依存するトヨタが「数時間分の在庫」しかもたない理由 「常在危機」が技術力を高める (3ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
それでできるというストーリーは、それしかないより作るのが大変。その先のストーリーが求められるためだ。それを考え、情報を集め、ストーリーにのせて提案するのがあなたの仕事だ。
内容を変えずに短くする。削るまでが文言作り。
プレゼン資料の心がけ KISS の法則。Keep it short and simple. の略だが、Wikipedia によると Keep it short stupid. が由来だそうだ。
人のプレゼン資料をレビューするとき、「シンプルにしよう」とか「短くしよう」というアドバイスはうまくいかないことが多い。理由が重要なのに理由の説明が無くなってしまったり、抽象的になりすぎて正しいけれどだから何なんだという論理が進まない資料になってしまうことが多いためだ。
突き詰めれば、短くするのでなく、必要十分にすること。
- 可能な限り必要ないものは削除
- 同じ内容なら長い文章よりも短い文書
- 情報は凝縮する
とある。この「可能な限り必要ないものは」とか「同じ内容なら」の部分重要。
KISS の法則と同様のことを言っている 名言 は多くあり、サイエンス分野でよく聞くのは オッカムの剃刀。「必要が無いなら多くのものを定立してはならない」が元の意味だそうだが、プレゼン資料のアドバイスには、上記 Wikipedia の説明にある
「事実Pを同様に説明できるのであれば仮説の数は少ないほうが良い」の方がよい。「必要が無いなら」が分からないので冗長になっているので。
他には、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「完璧とは、これ以上加えられないときではなく、これ以上削りとれないときに達成されるようだ」が、プレゼンのアドバイスに合う。原文は It seems that perfection is reached not when there is nothing left to add, but when there is nothing left to take away. だそうだ。nothing left to add だけでなく nothing left to take away であるべき。
著書『秒で伝わる文章術』の「第2章 短いは正義」を無料公開|nao | UXライター / コピーライター | 著書『#秒で伝わる文章術』発売中 によると
- 内容を変えずに短くする
- 文字を削るまでがライティング
- 書き終わったら、まず削る
とあった。「内容を変えずに」は「同じ内容なら」より1文字多いが、「必要なものは残す」のニュアンスがちょっと出ていて、こっちの方が良いと思った。
集合知 VS 偽情報
今日の日経の記事。衝撃的なタイトル。Web2.0 時代の根底にあった性善説がゆらいでいるなと思った。
テクノ新世 もっと人間らしく(1)集合知VS偽情報 ウィキペディア創設者の再挑戦 世界中と連携、技術悪用防ぐ - 日本経済新聞