Schi Heil と叫ぶために

hiroakiuno's blog

言われたもんは確かに損

今回の村上ファンドの一件で。

というのも、前述のとおり、「大量の資金を動かせる2つの投資家」がいて、一方の投資家が別の投資家に「大量に株を取得しようと考えてるんですけど」と告げるだけでもう片方が証券取引法167条[公開買付者等関係者の禁止行為]違反になるので株式の取得を中止せざるを得ないことを意味するキツい判例が出たとしたら、自分だけが有利に株を買いたいので相手に株を買うのを止めさせようと思う投資家の「言ったもん勝ち」になっちゃうので。
つまり、強敵と目される投資家がいたらランチにでも呼び出して、「実は・・・」と切り出せば、相手の動きを完全に封じることができるようになるわけですな。
ページが見つかりませんでした | 磯崎哲也事務所

本当に「言ったもん勝ち」なのかどうか気になって、それならばと、大学の後輩で未来の先生(弁護士?検察官?裁判官?)に聞いてみた。

曰く、まずインサイダー取引なのかどうかは、

  • 外部の一般人が、知ろうと思えば知れたか否か
  • その情報を利用して利益を上げる故意があったか否か

の二つが大きな判断基準だとのこと。で、後者が今回の質問のポイントになるのだが、

  • ただし、元々購入予定であった投資家にインサイダーに該当する情報を示しても、その人が故意にその情報を利用しなければインサイダー取引には該当しない

と。つまり「言ったもん勝ち」と言うよりは「言われたことを利用したもん負け」だそうです。

しかし、故意かどうかってのは飽くまで主観的な事情であって、立証は外部的事情(状況証拠)によるので、言われてしまったら意図的に利用していないことを立証する負担を負うことになる。だから「言われたもんは損」だと。


さすが餅は餅屋で、私にも分かる言葉で詳しく教えてくれた。本当に分かっている人は相手にあわせて分かり易く伝えられるもんですね。逆に質問に一言で答えられない時って実は分かってない。

こんな人のネットワークは大切にしたいなと思います。先生になった暁には飲みに行きましょう。
ところで、もう一つ質問。先生になったらこういうのって相談料取られるのか?たいしたことはしてませんが一応面倒見た先輩より。