ここ最近日本人以外の人と仕事をする機会が増えた。言語能力の問題で言いたいことが言えなくて苦しむことも多いが、ちょっとした会話の際に文化や歴史認識の間違いが心配で発言をためらうこともある。また地政学リスクという言葉もよく聞くようになった。世界全体がなんだか混乱していて先が不透明だ。
そんな中、中東問題をはじめ特に宗教が絡んでいる最近のトピックスを少しでも理解したいというモチベーションで読んでみた。中東をはじめ、中国、ドイツ、ロシア、アメリカ、沖縄などの幅広い問題が歴史と紐づけて説明されていた。
- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/10/20
- メディア: 単行本
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「情と理」というフレーズがある。最近私の仕事では理の方を強く求められていると感じているが、人間を相手にする以上、論理だけではうまくいかないものもある。なんかあいつ嫌いだからというのはよくある情の一つだが、もっと広く考えると、歴史や宗教に関係する問題もそうだと思う。
だからこそ、主婦やビジネスパーソンにも、歴史を学ぶ意味があります。一人の人間が、人生のなかで経験できることには限りがある。しかし、歴史を学ぶことによって、自分では実際には経験できないことを代理経験できる。こうした代理経験を積むことは、単なる娯楽にとどまりません。より直接的に、人生に役立つのです。論理だけでは推し量れない、現実の社会や人間を理解するための手がかりになるからです。