パンフレット読んでも分かりづらいなと思いながらも、とりあえず入らなきゃという思い込みから、理解できないのは商品のせいではなく自分のせいだとついつい思ってしまう保険。どんなときにどんな保障がもらえるのか十分理解していないまま加入している人がほとんどではないだろうか。そもそも万一を扱う商品なので経験豊富な人は少ない。でも車や家を買う時によくわからないまま買う人はいないのに、同じ高価な生命保険という商品を買う際はそうなっていると本書では言っている。機会があれば保険の仕組み理解したいなと思っていた人は読むに値する良書だと思う。
現在の保険という商品は、死亡保障、医療保障、貯蓄が複雑に絡み合っている。本書ではその理由も書かれているが、安心とかお得というキーワードがいくらついていてもしょせん商売なので、リターンが多いものは価格が高く、安いものは保障が少ないのは当たりまえ。今の時代は保険と貯蓄は分けて考え、保険はシンプルなものに加入し残りは貯蓄にまわすべきだとネットで生命保険会社を立ち上げた著者は言う。
この「今の時代は」というのも一つのポイント。著者のプロフィールを読むと私とほぼ同じ歳だが、我々の親であればだれでも万一に備えて保険は入っておきなよ言うだろう。実は親の意見は間違っていない。親の時代は金利も高く保険を通じて貯蓄でよかったからだ。ただし時代が変わっている。そのあたりを理解するのによかった。
- 作者: 岩瀬大輔
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: 新書
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