Schi Heil と叫ぶために

hiroakiuno's blog

ニュース記事で行った気になる 2013 CES まとめ (その1)

今年も CES のニュースを追っかけてみた。ついに Microsoft までいなくなり、CES って新作スマホ発表会みたいになるのかなと思っていたが、いざ蓋を開けてみると多くのメディアが 4K TV を取り上げた。

4K TV の捉え方はいろいろあるが、ディスプレイのさらなる高解像度化と捉えると、その傾向は TV にとどまらず、TV と PC (Tablet PC) は 4K へ、スマホは 5インチ で Full HD へがトレンドだとまとめられる。そんなに画素増やしてどこへ行く? という意見もあるが、Retina ディスプレイが我々に高解像度はよいことだと教えてしまった今、解像度に関しては少ないよりは多い方がよいという流れは止められないだろう。一方サイズに関しては解像度と違って大きければよいというものではないので用途に合わせてさまざまだが、39インチのタブレットが登場 するなど、TVとタブレットを大きさでは判断できなくなってきたという記事にも思わず納得。

高解像度・サイズ以外に総括するキーワードを探してみると「コンテクスト・アウェアネス」という言葉を見つけた。下記の記事では Qualcomm はデジタルな第六感、AMD はサラウンドコンピューティング、Intel はパーセプチュアル・コン ピューティングとまちまちの名称を挙げているが、機器が多くのセンサーをもち、それらが有機的に結合され自発的な動作を行うトレンドという話のようだ。

また こちら記事では Wearable, Watchable, Crowdfunding の3つ を挙げている。確かに BEST of CES とか CES AWARDS という類の記事 (例えば これ とか これ とか) を眺めていると Pebble というスマート腕時計がよく目に留まった。ウェアラブルなんて何年も前からあるキーワードで、技術は年々進化しているとはいえやっぱり売れるとは思えないのだが、Google Glass のような話もあるしそろそろこういうのから次世代のヒット商品が生まれるのかもしれない。

Twitter でのつぶやき解析 によると、メーカー別では初日は SONY が健闘したものの、二日目以降は Samsung がダントツ。一番ホットなブース も LG だったそうでやはり韓国勢は勢いが違うなというところ。初日に SONY が盛り上がった理由は ブルースクリーン ではなく、CESベストスマホ とされている Xperia Z がつぶやきたくなるようなインパクトがあったんだと思うが、実は Samsung と LG はスマホに関しては CES ではなく来月の MWC をターゲットにしているようで、新作スマホは未だ出そろっていないと見た方がよいかもしれない。

つづく。

インドで耳にしたキーワードの復習 (2)

インバータ、バッテリー、UPS、スタビライザー、発電機

インドは電力の需要増加に供給が追い付いておらず停電がよく起きる。また電圧も安定していない。よってこれらの需要がある。

UPS = インバーター + バッテリー」、「スタビライザー = 電圧安定化装置」という理解でよさそうだ。

dabbawala (ダッバーワーラー)

ムンバイの弁当宅配事業の話。ローカライズの例によく挙げられるネタ。

Big apple

中古 PC や 中古 PC モニタービジネスをやっている会社。

上記 Web からも注文できるようだがちゃんと届くんだろうか。

インドの高等教育機関

  • インドの高等教育と人材育成
  • インドの高等教育と人材育成
    • インド科学院大学(IISc:Indian Institute of Science) → 理系最高峰
    • インド工科大学(IIT:Indian Institute of Technology) → 理系
    • インド経営大学院(IIM:Indian Institute of Management) → ビジネス系
    • インドIT 大学(IIIT:Indian Institute of IT)→ 産学連携

インドの e-commerce ビジネス

flipkart が有名。

Amazon は 2012年2月より Junglee.com という名前で展開しているらしい。

LG の Rural インド戦略

  • Golden Eye
  • Cineplus
  • Sampooma
  • インド言語対応
  • クリケットのゲーム内蔵

インドで耳にしたキーワードの復習 (1)

新興国の勉強のためにインドのバンガロールに来ています。店を見て回ったり、大学の講義を聴いたり、現地のエンジニアと話たりする中で、あとで調べようと思ったキーワードをメモしていきます。基本ここで述べるのはネット情報のまとめです。

インドの DTH

DTH というのはケーブルテレビの STB サービスのこと。インドでは DTH が普及しているというのでなんだと思って調べてみたら DTH というのは Direct To Home の略で一般用語だった。日本のケーブルテレビのようなもので、STB を買って月々 300 Rs くらいの契約料を支払うと100番組以上の番組が視聴できる。衛星 STB というのもあるらしい。サービスはいろんな会社が提供している。Airtel Digital TV が最も有名なように見える。

ちなみにインドにはもちろん地上波もある。ただし商業放送は認められておらず、国営の日本でいう NHK みたいなチャンネルや宗教系のチャンネルがある。ただあまり面白くないのか収入の高い人たちはほとんどみな DTH に加盟しているとのこと。

ちなみに、ちなみに、地上波と DTH の間に、やや怪しい野良のケーブルボックスというのもあるらしい。こちらは契約料が月々100Rs だそうで80チャンネルくらい見れるそうだが、コンテンツは全てどこからコピーしてきたような怪しいものだそうだ。

東芝の Power TV

電力事情のよくない新興国向けにバッテリーやブースターを内蔵したテレビ。どのインチにもバッテリーついているのかと思いきや 24 と 32 inch のみで、しかも PC1 というモデルだけらしい。

新興国の目の付け所という点でニュース記事などでよく取り上げられるが、売れているかどうかは別の話で、実際インドの店を回ってみるとそれほど売れているわけではないので注意。

ベトナムの Zing

VNG という会社が運営しており、上記の動画サービスだけでなく SNS やその他さまざまなネットサービスを運営しているみたい。動画サービスはほとんどテレビ番組のようだ。SNS はベトナムでは No.1 らしい。ただし Facebook の追い上げがすごいらしい。

シンガポール出張で感じたこと

シンガポールとインドへの約3週間の出張。目的は新興国の理解。時間があるときに少しずつ覚書。

まずはシンガポール編。シンガポールには今回初めて来たが、特殊な国だなというのが一番感じたこと。東南アジアなのでどうしても途上国らしいごちゃごちゃした感じをイメージしたくなるが、シンガポールは先進国だし街並みは非常に整然。では先進国らしいかと言えば、景気が低迷して行き詰まった感がある日米欧の雰囲気はなくのイケイケな感じ。特に Marina Bay Sands で有名なマリーナ地区はカジノ、F1、高級ホテル、海、夜景、とバブルな感じもした。
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場所的にも中国とインドの中間地点で、それらと関わる日本、韓国、オーストラリアにも近い。N
EXT11 のインドネシアやベトナムも近い。条件的には確かに文句なく、インドやインドネシアなどに進出を考える日本企業が一つ安心の拠点としてシンガポールを選ぶのもわかる気がした。

会議の限界

4/29の日経朝刊より。記事自体は震災や国会ネタに結びつけていた話だったが、この部分はあるある教養ネタとして使える表現だと思う。

そこでの結論がこの世界から動きを奪いかねないというものだ。会議で決まったのだから、今更文句をいっても始まるまいというかたちでの思考の停止。

あらためて MStar すごい

この日経の記事非常に参考になったので記録しておく。

(ほんとによく調べてあると思ったら日経エレの2月20日号の再編集だったみたい。まあ気にせず。)

まず ASSP という単語。MediaTek や MStar は ASSP ベンダーと呼ばれるらしい。ちなみに ASIC と ASSP の違いは以下の通り。

  • ASSPは、特定の顧客用にカスタマイズされていないため、顧客を限定せず、複数の顧客に汎用部品として提供することができるという利点がある。多くのメーカーが参入している製品の部品などをターゲットに作られることが多い。
  • ASSPに対して、顧客の要望に応じて設計・カスタマイズされた部品がは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれている。

ASSPとは (Application Specific Standard Produce): - IT用語辞典バイナリ

比較して描かれているアメリカ企業の衰退の歴史も分かり易い。

かつて市場を支配した米国企業は、元気がない。老舗の米Zoran社は英CSR社に買収され、一時トップシェアに立った米Genesis Microchip社は伊仏合弁のST Microelectronics社に買収され、それぞれ事業再構築が進められている。米Trident Microsystems社は、2012年1月に破産を申請した。Intel社は、2011年11月にテレビ市場から撤退している。

売り上げシェアはこんな感じだそうだ。
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MStar がなぜここまで大きくなったのかの理由を二つ挙げている。

  • 第1は、テレビ用品種に事業の焦点を定めた上で、客先として韓国企業を重視したこと。
  • 第2は、「ターンキー・ソリューション」(詳しくは後述)の有効性を熟知した上で、それに必要な膨大な業務をこなす若手技術者に対して積極的に報酬を支払ったこと、である。

MStar の業務の仕方。Sumsung や LG に張り付いて仕事しているらしい。

MStar社はSamsung社に納入を始めた当初こそ「要求に応えきれないこともあったが、今では画面のユーザー・インタフェースを一部改変する以外、顧客の手を煩わせないことが多い」(MStar社の従業員)という。

MStar社は、FAE(フィールド・アプリケーション技術者)などとして韓国人社員をSamsung社に20人ほど、LG社に10~20人ほど、それぞれ張り付けている。

Sumsung の全部というわけではないらしい。

Samsung社は高級機にASICを採用しているので、MStar社の納入対象は低~中級機に限られる。

ターンキーってカギ回すだけという語源だったんだ。知らなんだ。

「お客様はカギを回すだけ、ASSPベンダーがすべて面倒なことをやります」という事業モデル

かなりの学歴社会らしい。

若手のうち、優秀か否かを決める圧倒的に大きな要因は、学歴である。「臺清交成」(成は成功大学)と呼ばれる一流大学の大学院を卒業しているとMStar社では「資深(senior)」という肩書きが付きやすく、月給が1万台湾ドル(2.7万円)アップする。台湾の物価は日本の半分ほどなので5万円アップに相当する。

福利厚生と言えば google が有名だが、MStar のお見合いサービスもすごい。

お見合いサービスは、「最高の福利厚生」と社内の一部で言われるほど好評だ。これは人事部が1年に1回ほど男性社員に提供するもので、「25歳」「百貨店勤務」といった女性のプロフィールを人事部が社員に通知する。それに関心を持った男性が応募し、後に長テーブルを挟んで次々相手を替えながら会話できるというもの。「うちの社員は働きまくりだから、他業界の女性と知り合う機会がない。ホントありがたいシステムだよ」(男性エンジニア)。

MediaTek や MStar に就職すると兵役を免除されるらしい。

台湾では、ハイテク企業が人材を確保し選別する上で、兵役が非常に有効に機能している。「研發替代役」という制度があるためだ。軍隊に1年3カ月入隊する代わりに、台湾政府が認めた大学院を出て、認定された企業や研究機関で約3年勤務すれば兵役を果たしたとみなされる。

エリート特別扱いというのも人間の豊かさという側面ではどうかと思うけど、そんなのやだやだと言ってもビジネスではそういう会社や国と戦っていかなければならないわけで、日本企業はきれいごと言いましたが負けましたとならないようにしないといけない。マジで。

ベストバイの不調と東芝の携帯撤退

家電メーカー全体が厳しい状況なのは多く報道されているが、小売りも同じでアメリカのベストバイですらそうらしい。

ベストバイは「もう液晶テレビやゲーム・コンソルのビジネスは昔の栄光の日々に戻ることは無い」という前提の上でかなり抜本的なリストラクチャリング計画を始動しています。

だそうだ。ベストバイですらそんな状況、いわんやry)である。

売上目標を達成できていない店舗をどんどん閉鎖し、コストを下げる事を目指します。

なぜならより有利な価格を消費者に提示しなければ来店時にスマホを利用して比較ショッピングを行う消費者の新しい消費態度について行けないからです。

確かに、家電量販店で実際にモノを見て、店員に質問だけして、その後より安くて郵送までしてくれるネットで買うケースは増えた。この前買った加湿器もちょっと前に買った電子辞書もそうだった。特に比較的小物は Amazon が異常に安かったりする。家電量販店としてはただの見世物になっているわけで、しかも買いに来る人はネットでみたんですけどこれより安くならないですかと来る。割に合うはずがない。

ところで、そんなベストバイというかアメリカ市場でも、スマホはまだ成長市場とのこと。

現在のアメリカの家電市場はスマホ、タブレット、Eリーダーだけが成長しており、ゲーム・コンソル、ゲーム・ソフトウエア、ノートPC、テレビなどの売上は落ち込んでいます。

それもあって、3日前に報道された東芝の携帯撤退は自分としてはかなり意外だった。家電全体が低迷とはいえ携帯はまだ降りるわけにはいかないものだと思っていたので。そもそもスマホ・タブレットが主役になって破壊王として他の家電を低迷させているわけでもある。そんな主役から撤退というのは結構驚きだった。ただ日本だけ考えてもふと周りを見渡せば電話売るだけの専門店にどんだけ金かけているだという携帯ショップが至る所にある。しかもそれを0円で売らざるを得ない異常状態。業界的には定額制限界の問題もある。

何が残るんでしょうか。