どちらもエースと四番を集めている組織だが、片や開幕3連敗、方や次から次へと新しいサービスを打ち出し絶好調。何が違うのか考えていたらよく分からなくなってきたという話。
まずは巨人。グライシンガーとラミレスというまさにエースと四番を根こそぎ奪い取っておきながら、そのヤクルトに開幕3連敗である。巨人のエースと四番集めは今に始まったことではないが*1、エースと四番ばかり集めても勝てない、盗塁やバントのできる1、2番が必要だ、という話は野球好きな人だけじゃなくても多くの人が耳したことがある言葉だと思う*2。例えば楽天の野村監督はこう言っている。
私の考えでは、野球というスポーツはなんらかの根拠にもとづいて成り立っている。九つのポジション、九つの打順には全て特性と役割がある。ということは、たんにいい選手を九人集めればいいというのではなく、それぞれの条件と役割に適った選手と見つけ、育て、有機的に結合させて行くことが重要になる。
一方の Google。今やその魅力に優秀なエンジニアが自然と集まる会社だが引き抜きも多いと聞く。Google の強さの一つとしてエースと四番がたくさんいることを理由に挙げてもあまり否定する人はいないだろう。
ところでシリコンバレーにこんな格言があるらしい。
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる
シリコンバレーの格言
A-level people want to work with A-level people.
B-level people tend to hire C-level people. (Silicon Valley proverb)
【第二回】「選抜チーム」という発想 : プレジデント(プレジデント社)
確かに A クラスの人が集まると仕事は早い。2割8割の法則はあるものの、やはり仕事の効率は人によって恐ろしく異なるものだ。
でもこれ野球と会社で言えばむしろ野球じゃないか?野球は全員がホームラン打てばバントなどしなくても勝てるといえば勝てる。もちろんこれが出来ないから巨人は負けるのだが、理屈としては成り立つ。一方の会社はみんながホームランを打つだけでは勝てない。めんどくさいことも誰かがやらないとうまくいかない。
もちろん野球だって裏方さんがいるからこそ試合ができるのだし、バントの名手はAクラスだといわればそれまでだが、なんというか野球でエースと四番ばかり集めても勝てないと言われるとそりゃそうだとなり、シリコンバーレーでAクラスの人でチームを組むと強いといわれるとそりゃそうだとなるのがよく分からなくなってきた。
と考えていたらこんな記事を見つけた。
Googleからの人材流出が止まらないようだ。IPO前にストックオプションを取得し,入社4年後にオプションをすべて受け取った従業員が,同社を辞めていくことは避けられない。
この1年間に約6000人も新規採用するほどの大企業となったGoogleでは,やりがいのある挑戦的な仕事を見出せなくなったのかもしれない。すでに,優秀なキーパーソンがFacebookなどに続々と転職している。
でもヤクルト勝ったぞと考えるとますます分からない。とりあえず明日の上原に全てがかかっていることは確か。