Schi Heil と叫ぶために

hiroakiuno's blog

SmartTV と HybridTV の違い

定義がないのでメーカーの言ったもん勝ちになっているスマートテレビ。一昨年あたりに言葉が出はじめたころは、

とか、

とか、評論する側もまた言ったもん勝ち状態だった。その点は今も変わってはいないが、最近の記事の中に下記のような分類を見つけたのでメモ。SmartTV と HybridTV だそうだ。

次に松村氏はネットと融合するテレビの進化を挙げて、SmartTV、HybridTVという新しいテレビの概要について説明しました。

  • SmartTV
    • テレビメーカーやネット企業主導型
    • テレビ機器とネットの融合
  • HybridTV
    • 放送局主導型
    • 放送とネットの融合

UXClip(23):さまざまなデバイスがWebと結び付いていく (2/3) - @IT

NHK の人が言っている話なので Hybrid Cast を強調する意図があるのは仕方ない。よって HybridTV という単語が流行るかどうかはあやしいが、テレビとネットの融合はこれまでメーカー主導だったのものが、放送局(ケーブル含む)もやる気になってきたというのは変わった点だろう。

以前からアップルがケーブル局と交渉中という噂もある。

今日はこんなニュースも見つけた。

結局最終的には単なるインターネットを使ったテレビ放送に行きつくんじゃないんだろうか。そんな気がする。

ニュース記事で行った気になる MWC 2013 まとめ

行った気になるシリーズの MWC 2013 編。実は CES その2をサボっているのだが、仕切り直しで MWC をまとめてみようと思う。

今年の MWC を扱ったニュースの多くは以下の論調だった。

  • スマホが成熟商品になりつつある。
  • わくわくするような新製品が少ない。
  • そんな中 第3の OS への期待が高まっている。

わくわくするような新製品が少ないのは、各社が MWC にタイミングを合わせて来なかったことも理由の一つだと思う。 Xperia Z は CES だったし、GALAXY S4 は 3/14 に発表らしい。とはいえ、スマホが成熟してきた、特にハイエンド機種の機能がサチってきたというのは最近の iPhone を見てもよくわかる。しばらくはバッテリー寿命争いがあるだろうがその次の目立ったストーリーが思いつかない。

そんな中、第3の OS が注目を集めたわけだが、「第3」というのは Android/iOS 以外の第3極という意味で、Firefox OS、Tizen のほか、Ubuntu、Jolla の Sailfish OS あたりをまとめて指している。あと Windows Phone と LG が買収した WebOS も第3極ではあるが、今回の MWC のニュースでは後者の2つは数に入れていないものが多い。

Firefox OS や Tizen が Web ベースのアプリを推しているため、第3の OS が話題になったイコール HTML5 への移行が進んでいると安易に解釈してしまうことには注意が必要。もちろん間違いではないが今回ここまで第3の OS が話題になったのは技術的な観点よりも「グーグルやアップルの縛りから解放されたい」というメーカおよびキャリアの心の叫びの方が強い。

FirefoxOSもTizenも、いずれも「グーグルやアップルからの縛りから解放されたい」というキャリアやメーカーが寄り集まったものという意味合いが強い。
【Mobile World Congress2013特集】石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.023:石川温のスマホ業界新聞:石川 温の「スマホ業界新聞」 - ニコニコチャンネル:社会・言論

縛りからの解放というのは、例えばキャリアは重いアプリがどんどん増えてネットワークの投資ばかりさせられているのに、おいしいところはグーグル・アップルに全部持って行かれるという状況からの解放。制限がなく何か面白いからという発言はきっと「制限がなく」というところに心がこもっている。フリーライド議論、土管になりたくない、Vertical Disruption (垂直崩壊) といろいろ表現はあるが、結局はメーカーだってキャリアだっておいしいところ(=プラットフォーム)を持ちたいということだ。iモードはおいしかったのだ。

iOSは、アップルが開発し、アップルのみが端末を作り、アプリ配信マーケットもアップルが抱え、携帯通信はあくまで「土管」であり、アップルがアプリやサービスにも強い制約を設けている。Androidは自由を売りにしてきたが、グーグルの制約や端末メーカーへの情報提供の不足、仕様が一貫しないなどの課題がある。参加企業は、それぞれを排除したいのではなく、新たな選択肢の提供を狙いとしている。

第3のスマホ向けOS、Tizen/Firefox OS へ高まる期待 − MWC2013を振り返る (1/2) - Phile-web

LG が WebOS を買収したのはスマートテレビ向けだそうだが目的は同じだ。マルチ OS 化が進めば、技術面での HTML5 への移行は長期的にはあるだろうが、しばらくは Facebook の失敗例 のようにまだまだ課題が多いと考えるべきだろう。だからこそ Firefox OS を採用する商品の多くは新興国向け・ローエンド市場と言っている。言い換えればパフォーマンスの課題があるのは分かってるということだ。新興国でヒットしてリバースイノベーションが起こるというストーリーは描けなくはないが、私はそう簡単には来ないと思っている。理由は安かろう悪かろうだけではちょっと前の Netbook と同じ結末になるからだ。作り手側のメリットで第3の OS といくら騒いでも、安かろう悪かろうでは目の肥えたユーザーには届かないと思う。

第3の OS 以外では多画面系の話とネクストスマホの話には注目したい。多画面系は MWC 前に既に発表していた NECカシオの2画面 Android ケータイ MEDIAS W のほか、

複数のスマホの画面を統合する API

電子ペーパーを裏面に採用する発想

が目に留まった。

ネクストスマホは、やっぱり Google Glass とスマートウォッチが多い。これは CES でも同じだった。


そんな中、MWC とは関係ないが、中島さんの「再び人々がまっすぐ前を向いて歩ける」デバイスという表現は心に響いた。

その意味でも、私は「スマートフォンの次に来るもの」は「外界とのインターフェイスを遮断せずに常時接続ライフスタイル」を満喫出来るようなものであるべきだと私は思っている。
Life is beautiful: スマートフォンの次に来るもの

来年の MWC のテーマにはネクストスマホを全面押し出ししたものを期待したい。

バッファローのレコロングに任せるという考え方

AQUOS の新商品の記事 を読んでいたら、「バッファローのレコロングに対応」という言葉が目に留まった。レコロングって何か知らなかったので調べてみると、録画用の外付け HDD 自体に AVC の(ハードウェア)エンコーダーを搭載したものらしい。つまり MPEG2 -> AVC のトランスコードを HDD 側でやってしまうという話。

無理せずにそっちに任せてしまうという考え方もありかも。こだわる人はそういうの買ってこだわるし、こだわらない人にとっては価格を抑えられるし。ちょうど パナソニックの全番組録画 DIGA の記事 で東芝との比較表のスペック競争に唖然としてしまった後だったのでよりそう思った。何でも取り込めばよいと言うものではない。同様にウェブカメラもハードウェアエンコーダー搭載が増えてきた。何を外に出して何を内に入れるかがポイント。クラウドと同じ。

ニュース記事で行った気になる 2013 CES まとめ (その1)

今年も CES のニュースを追っかけてみた。ついに Microsoft までいなくなり、CES って新作スマホ発表会みたいになるのかなと思っていたが、いざ蓋を開けてみると多くのメディアが 4K TV を取り上げた。

4K TV の捉え方はいろいろあるが、ディスプレイのさらなる高解像度化と捉えると、その傾向は TV にとどまらず、TV と PC (Tablet PC) は 4K へ、スマホは 5インチ で Full HD へがトレンドだとまとめられる。そんなに画素増やしてどこへ行く? という意見もあるが、Retina ディスプレイが我々に高解像度はよいことだと教えてしまった今、解像度に関しては少ないよりは多い方がよいという流れは止められないだろう。一方サイズに関しては解像度と違って大きければよいというものではないので用途に合わせてさまざまだが、39インチのタブレットが登場 するなど、TVとタブレットを大きさでは判断できなくなってきたという記事にも思わず納得。

高解像度・サイズ以外に総括するキーワードを探してみると「コンテクスト・アウェアネス」という言葉を見つけた。下記の記事では Qualcomm はデジタルな第六感、AMD はサラウンドコンピューティング、Intel はパーセプチュアル・コン ピューティングとまちまちの名称を挙げているが、機器が多くのセンサーをもち、それらが有機的に結合され自発的な動作を行うトレンドという話のようだ。

また こちら記事では Wearable, Watchable, Crowdfunding の3つ を挙げている。確かに BEST of CES とか CES AWARDS という類の記事 (例えば これ とか これ とか) を眺めていると Pebble というスマート腕時計がよく目に留まった。ウェアラブルなんて何年も前からあるキーワードで、技術は年々進化しているとはいえやっぱり売れるとは思えないのだが、Google Glass のような話もあるしそろそろこういうのから次世代のヒット商品が生まれるのかもしれない。

Twitter でのつぶやき解析 によると、メーカー別では初日は SONY が健闘したものの、二日目以降は Samsung がダントツ。一番ホットなブース も LG だったそうでやはり韓国勢は勢いが違うなというところ。初日に SONY が盛り上がった理由は ブルースクリーン ではなく、CESベストスマホ とされている Xperia Z がつぶやきたくなるようなインパクトがあったんだと思うが、実は Samsung と LG はスマホに関しては CES ではなく来月の MWC をターゲットにしているようで、新作スマホは未だ出そろっていないと見た方がよいかもしれない。

つづく。

インドで耳にしたキーワードの復習 (2)

インバータ、バッテリー、UPS、スタビライザー、発電機

インドは電力の需要増加に供給が追い付いておらず停電がよく起きる。また電圧も安定していない。よってこれらの需要がある。

UPS = インバーター + バッテリー」、「スタビライザー = 電圧安定化装置」という理解でよさそうだ。

dabbawala (ダッバーワーラー)

ムンバイの弁当宅配事業の話。ローカライズの例によく挙げられるネタ。

Big apple

中古 PC や 中古 PC モニタービジネスをやっている会社。

上記 Web からも注文できるようだがちゃんと届くんだろうか。

インドの高等教育機関

  • インドの高等教育と人材育成
  • インドの高等教育と人材育成
    • インド科学院大学(IISc:Indian Institute of Science) → 理系最高峰
    • インド工科大学(IIT:Indian Institute of Technology) → 理系
    • インド経営大学院(IIM:Indian Institute of Management) → ビジネス系
    • インドIT 大学(IIIT:Indian Institute of IT)→ 産学連携

インドの e-commerce ビジネス

flipkart が有名。

Amazon は 2012年2月より Junglee.com という名前で展開しているらしい。

LG の Rural インド戦略

  • Golden Eye
  • Cineplus
  • Sampooma
  • インド言語対応
  • クリケットのゲーム内蔵

インドで耳にしたキーワードの復習 (1)

新興国の勉強のためにインドのバンガロールに来ています。店を見て回ったり、大学の講義を聴いたり、現地のエンジニアと話たりする中で、あとで調べようと思ったキーワードをメモしていきます。基本ここで述べるのはネット情報のまとめです。

インドの DTH

DTH というのはケーブルテレビの STB サービスのこと。インドでは DTH が普及しているというのでなんだと思って調べてみたら DTH というのは Direct To Home の略で一般用語だった。日本のケーブルテレビのようなもので、STB を買って月々 300 Rs くらいの契約料を支払うと100番組以上の番組が視聴できる。衛星 STB というのもあるらしい。サービスはいろんな会社が提供している。Airtel Digital TV が最も有名なように見える。

ちなみにインドにはもちろん地上波もある。ただし商業放送は認められておらず、国営の日本でいう NHK みたいなチャンネルや宗教系のチャンネルがある。ただあまり面白くないのか収入の高い人たちはほとんどみな DTH に加盟しているとのこと。

ちなみに、ちなみに、地上波と DTH の間に、やや怪しい野良のケーブルボックスというのもあるらしい。こちらは契約料が月々100Rs だそうで80チャンネルくらい見れるそうだが、コンテンツは全てどこからコピーしてきたような怪しいものだそうだ。

東芝の Power TV

電力事情のよくない新興国向けにバッテリーやブースターを内蔵したテレビ。どのインチにもバッテリーついているのかと思いきや 24 と 32 inch のみで、しかも PC1 というモデルだけらしい。

新興国の目の付け所という点でニュース記事などでよく取り上げられるが、売れているかどうかは別の話で、実際インドの店を回ってみるとそれほど売れているわけではないので注意。

ベトナムの Zing

VNG という会社が運営しており、上記の動画サービスだけでなく SNS やその他さまざまなネットサービスを運営しているみたい。動画サービスはほとんどテレビ番組のようだ。SNS はベトナムでは No.1 らしい。ただし Facebook の追い上げがすごいらしい。

シンガポール出張で感じたこと

シンガポールとインドへの約3週間の出張。目的は新興国の理解。時間があるときに少しずつ覚書。

まずはシンガポール編。シンガポールには今回初めて来たが、特殊な国だなというのが一番感じたこと。東南アジアなのでどうしても途上国らしいごちゃごちゃした感じをイメージしたくなるが、シンガポールは先進国だし街並みは非常に整然。では先進国らしいかと言えば、景気が低迷して行き詰まった感がある日米欧の雰囲気はなくのイケイケな感じ。特に Marina Bay Sands で有名なマリーナ地区はカジノ、F1、高級ホテル、海、夜景、とバブルな感じもした。
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場所的にも中国とインドの中間地点で、それらと関わる日本、韓国、オーストラリアにも近い。N
EXT11 のインドネシアやベトナムも近い。条件的には確かに文句なく、インドやインドネシアなどに進出を考える日本企業が一つ安心の拠点としてシンガポールを選ぶのもわかる気がした。